刑務所の父へ
(カナダの新聞に載った出来事)
ある年のクリスマス。小さな女の子が寒い中、刑務所の前に立っていました。
彼女は服役している父親へのプレゼントを持って来たのですが、もう時間が遅くて会うことができませんでした。
しかし、通りかかった所長が代わりにそのプレゼントを父親に渡してくれたそうです。
その父親は刑務所の中でも態度の悪い囚人でした。父親は、プレゼントの箱を開き、手紙を読み始めました。
「大好きなお父さん。
お母さんは、お父さんが殺人犯だからと言って家を出て行ってしまいました。
お父さんにプレゼントをと思ったけどお金がありません。それで、私の赤い巻き毛の髪の毛を切って贈ります。
お父さんが "可愛いよ" と言って撫でてくれた髪の毛です。私はいつまでもお父さんを待っています。刑務所の中は寒いでしょう。お父さん、風邪をひかないでね…」
父親は、娘の髪の毛を手すると、それに顔をうずめて号泣したそうです。
そしてそれから彼は、それまでとは別人のような模範囚に変わっていったそうです。
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