母の味


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ある夫婦がいました。その夫婦には一人娘がいました。母親は優しく、父親は頑固ながらも家族思いで、三人は仲良く幸せな暮らしを送っていました。

しかし娘が中学校入学直前に、母親が交通事故で亡くなりました。

それから間もなく娘が中学校に入学しました。中学では給食がなくなり、お弁当を持ってこなければいけなくなりました。

父親は娘に恥をかかせまいと朝早く起きて、不器用ながらも毎朝お弁当を作り、娘を送り出していました。

しかし娘が高校生にもなると、父親のお弁当というのが恥ずかしくなり「お弁当はいらない」
そう言うようになりました。それでも父親はお弁当を作りました。

お弁当に一切手がつけられてなくても、朝、家の前でお弁当の中身だけが捨てられていても、父親はお弁当を作り続けました。

時が経ち、娘は高校を卒業し短大を経て、企業に就職しました。この間も父親はお弁当を作り続けていました。

そして娘は同じ会社の人間とめでたく婚約し、退社することになりました。

そして会社での最後のお昼休み。「今日でお父さんのお弁当も最後かー」

そんなことを思いながら開けると、そこに一通の手紙が入っていました。

「お前に弁当を作ってやるのも今日で最後だな。お前が中学に入ってから今日までバカみたいに弁当を作ってたのには訳があるんだ」

「どうしてもお前に食わせたかったものがあってな。母さんのたまご焼きだ。十数年作り続けたけどマネできなかった、ごめんな」

「お前には悪いことしたと思ってる。みんなが持ってくる弁当と比べたら色合いも悪かったろう。形も変だったろう。ただ味には自信あったんだけどな。まぁ今日で最後だ。味わって食べてくれ」

-父さんより-

娘は思い出しました。「そういえばたまご焼きだけは毎日入ってた…」

泣きながら、父親に申し訳ない気持ちと、そして感謝の気持ちを込めながら、娘はたまご焼きを食べました。

…そして結婚式当日。
綺麗な式場
豪華な食事

その中に混ざって、花嫁から父親にあるものが出されました。たまご焼きです。

父親はきょとんとしながらも口に入れ、そして涙を流しながら娘にこう言いました。

「…母さんの…これは母さんのたまご焼きの味だ」

「どうして?お前、母さんの味覚えてたのか?」
娘も泣きながら、こう答えました。

「私はただ、父さんのたまご焼きを
マネしただけだよ?」

「お父さん、今までありがとう。優しいところも、頑固なとこも、包丁で指切ってバンソウコウだらけだった指も、お父さんのたまご焼きも、全部大好きでした。
 
…本当に、本当にありがとうございました。」
式場は鳴りやまない拍手と、みんなの泣き声で溢れかえったそうです。

PALAN

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