大切な一つの言葉
(小さな幸せに気づく24の物語)
あるご主人が病気で奥さんを亡くされて、初めてキッチンで家事をしたそうです。
そのときにキッチンで食事を作る大変さに、ご主人は初めて気がつきました。
料理を作るためにはメニューを考えたり、買い物をしたりすることも必要だとわかりました。
奥さんが元気だった頃、仕事から帰ってきたご主人は奥さんに「まだ、食事ができていないのか?」と怒鳴っていました。
奥さんは何の文句も言わずに「ビールを飲んで待っていてください」と言って、ビールを出してくれていたそうです。
そのときの奥さんの姿を思い出して、ご主人は涙が出たそうです。
奥さんが亡くなって初めて洗濯をしたときには、水の冷たさに初めて気がついて、なぜ、奥さんの手が荒れていたのかがわかりました。
寒い日に、笑顔で洗濯物を干していた奥さんの姿を思い出して、こんな大変なことを毎日笑顔でしてくれていたのかと思ったそうです。
どうして「毎日、一生懸命に家事をしてくれてありがとう」と一言だけでも、ねぎらってあげられなかったのだろうかと、とても後悔したそうです。
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