だっこの宿題
(孤独になる前に読んでおきたい10の物語の本から)
せんせいが「きょうのしゅくだいは、だっこです。おうちの人みんなにだっこしてもらってね」といいました。
ぼくもみんなも「ええーっ」とびっくりしました。だって、だっこのしゅくだいなんて、はじめてだからです。
なんかはずかしいとおもいました。でも、うれしかったです。いそいでいえにかえりました。
いえにかえって、すぐ、おかあさんに「だっこがしゅくだいにでたんよ。しゅくだいじゃけえ、だっこして」と小さいこえでいいました。
おかあさんは「へえ、だっこのしゅくだいでたん?」とびっくりしました。でも、すぐ「いいよ」とにっこりしていってくれました。
おかあさんはすわって、ぼくをひざにのせて、りょう手できゅうっとだきしめてくれました。
おかあさんのからだはぬくかったです。だっこしてもらっていたら、ぼくのからだもぬくくなりました。
ぼくが「おうちの人みんなにだっこしてもらわんといけん」といったら、おかあさんがちっちゃいばあちゃんに「だっこしてやって」といってくれました。
ちっちゃいばあちゃんはわらって「おいで」といって、だっこしてくれました。
そして、「大きゅうなったねぇ」といってくれました。
つぎは大きいばあちゃんにだっこしてもらいました。大きいばあちゃんはぼくをだっこして「おもとうなったのう」といってくれました。
さいごはおとうさんでした。おとうさんはいきなりりょう手でぼくのからだをもちあげて、どうあげをしてくれました。
ぼくのからだはくうちゅうにふわっとうかんで、きもちよかったです。
おとうさんはぼくをゆっくりおろして、ぎゅっとだきしめてくれました。おとうさんのからだはぬくかったです。
ぼくはまたしてもらいたいとおもいました。
だっこのしゅくだいがでたから、かぞくみんなにだっこしてもらいました。
さいしょははずかしかったけど、きもちよかったです。だっこのしゅくだい、またでたらいいなとおもいました。(おわり)
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