二人の翔平
(産経新聞から)
大谷翔平がまだ日本で活躍して頃。兵庫県に生まれた赤ん坊に、両親は元気を祈って「翔平」と名付けた。
その子は重い心臓病を抱えていた。心臓移植のために広く募金活動が報じられた時、大谷翔平は大阪の病院まで駆けつけて、ベビー翔平を高く抱き上げた。
募金額は十分集まったが、力尽きたベビー翔平は1年半の短い一生を終えた。集まった基金は実に同病の子ども2人を外国に送り出し立派に治療を成功させた。
アメリカ・メジャーのMVPを受賞した今年、ベビーの母親が本を出版した。題して『奇跡のキャッチボール』。
大谷翔平はなかなかの男である。競技の実績は見ての通り、ベーブルースにも比べられる、記録にも記憶にも残る。
日本人の誇りである。何より威張らないのがいい、謙虚なところがいい、さしものアメリカ人もそこに気付いた。
ベビー翔平もきっと応援しているに違いない。たしかに国民栄誉賞などまだ早いか。
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